アシステッドリアリティとは何か?知っておくべきこと

今日、私たちは第4次産業革命(4IR)の真っただ中にいます。ウェアラブル技術は、この技術の波にのりたいと考えている企業の可能性を十分に引き出すことを可能にします。

拡張現実市場は急速成長を続けており、作業者の生産性を高めるための次の大きな飛躍となると期待されています。今日は、アシステッドリアリティ技術とスマートグラスについてお話ししましょう。ユーザーは両手が自由になり本来の作業に専念できるだけでなく、視野内に常にコンテクスト情報を得ることができます。

 

アシステッドリアリティとは何か?

aRと略されるアシステッドリアリティは、ユーザーの視界を遮ることなく、現実世界の情報をユーザーの視界に重ね合わせることを可能にする技術です。スマートグラスなどウェアラブル技術を使用して実際に体験してみるのが良いでしょう。

この技術は以下の要素の連携により行われます。 

  • ソフトウェア
  • ヘッドマウントディスプレイ

この画期的な技術は実は新しいものではなく、何十年も前から軍事技術として使用されてきましたが、最近、一般の人々にも手の届く技術となりました。多くの業界がデジタルトランスフォーメーションを推進するために「インダストリー4.0」を採用していますが、しかしレガシーな手法やツールに大きく依存しています。アシステッドリアリティソリューションは、重要な経験知を、より多くの可能性を持って伝達・保持するのに役立ちます。

例えば、ヘリコプターの整備技術者は、地上から数メートルの高さで機械部品の作業を行います。参考にしたい技術資料を得るために、何度も階段を登ったり降りたりすることもしばしばです。このアシステッドリアリティ技術を利用することにより、技術者はヘッドマウントディスプレイに表示された情報にダイレクトにアクセスできる上に、フリーハンドで工具を持つことができるので、作業の安全確保にも役立ちます。

 

拡張現実(オーグメンテッドリアリティ)とアシステッドリアリティ(補助現実)の違いは何ですか?

 

補助現実 1

アシステッドリアリティは、ユーザーが自分の視野内にある関連情報にアクセスできるようにするものです。それに対して拡張現実(オーグメンテッドリアリティ)は、コンピュータで生成されたデジタルコンテンツを使用して、現実世界の環境でインタラクティブな体験を作り出します。

アシステッドリアリティというと、一見ぱっとしない技術のように聞こえるかもしれませんが、このリモートアクセス技術はより実用的で身近なものになりつつあります。

このトピックについての詳細は、当社の以前のブログ「 XR、VR、MR、AR、aR どの技術を選択すべきか」を参照してください。

 

アシステッドリアリティによる補助の仕組みは?

補助現実 2

  • ステップ1:現場の技術者は、アシステッドリアリティのソフトウェアにより、スマートグラスや携帯端末を使って、遠隔にいる専門家に接続することができます。

  • ステップ2:専門家は、技術者が現場で見ているものをそのままリアルタイムで視覚化することができます。

ステップ3:専門家は、画像や注釈、リソースを使って技術者を支援することができます。

補助現実 3

アシステッドリアリティで何ができるのか?

産業分野や医療分野では、従業員の生産性を高め、効率的なサービスを提供する目的で、すでにアシステッドリアリティソリューションが導入されています。以下、いくつかの例を挙げて説明します。

  • リモートカスタマーサポート

 

Optel は、サプライチェーンのトレーサビリティーシステムの世界的なリーディングカンパニーです。同社の熟練したフィールドエンジニアは、XpertEye アシステッドリアリティソリューションを使用して、Optelの自動画像検査の統合時に、現地に出向くことなく顧客をトレーニングすることができます。

Optel グループ(カナダ)の技術サポート担当フランソワ・ルミユー は、XpertEye ソリューションを使用して、顧客に仮想技術サポートを提供しています。「これにより、応答までの時間を短縮してコミュニケーションを向上し、遠隔オンライン作業者が機械操作する際に両手を自由に使えるようになります」

  • リモート監査

アシステッドリアリティとは何か?知っておくべきこと-2

アシステッドリアリティは、遠隔地での検査や監査に幅広く利用されています。例えば、音声制御のRealWear HMT-1ウェアラブルヘッドセットと、XpertEyeプラットフォームを組み合わせることで、KPMGの検査官は、完全な在庫数を把握した上で効果的なコミュニケーションを図ることが可能になりました。詳細は こちらをご覧ください。

 

 

 

  • リモートメンテナンス

アシステッドリアリティとは何か?知っておくべきこと

 コインやメダルの油圧プレス製造で世界をリードするザックアンドキーゼルバッハ社は、リモートメンテナンスを容易に実施する方法を模索していました。同社のCEOであるマルクス・シュライン氏は、「スマートグラスのおかげで、エンジニアの肩越しに視覚的に確認しながら指示を出し、その指示が正しく実行されたかどうかを即座に点検することができます」と語っています。ケーススタディの詳細は こちらからご覧ください。


 

 

時間と空間のバリアを取り払う

デジタル技術によるコネクティビティは、時間と空間のバリアを取り払ってくれます。今では、医師が自分の作業環境にいながら遠隔手術を行うことができます。フィールドサービスエンジニアは、スマートグラスを使用して、機器を安全に監視することができます。アシステッドリアリティを使用したコラボレーション作業により、デジタル通信や情報伝達に強いインパクトを与えることができます。デジタル通信技術にはさまざまなソリューションが秘められていて、将来の作業環境を一変する可能性があります。